年賀状

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年賀状を出さなくなってからもう何年になるだろうか。数十枚、人によっては数百枚の年賀状にはじまり、中元、歳暮、出産祝いに、進学祝い、成人祝いに就職祝い…… ポトラッチではないが、とにかく日本では意味のない(けれど結構手間のかかる、そして財布には痛い)贈り物に追われて人々は一年を過ごす。こんなことが、日常化していて、幸福感が上がるはずがない。年賀状を自分から出さないことは、そんな風潮に対して自分でできるささやかな反乱のつもりでいる。

とはいえ、年賀状を頂戴するとうれしい。

なので、毎年、頂戴したお年賀には、直筆で住所・宛名を書き、近況報告してきた。

しかし、今年は……漢字が書けない。小学校で習ったはずの漢字が思い出せない。2枚続けて書くと万年筆を持つ手が震える。集中力が続かず文の途中で何を書きたいのか失念する…… つくづく「門松は冥土の旅の一里塚」と、深く身に染みた次第。