洞口依子にぞっこん

魔の1週間が終わりました。
体調も悪いし,仕事もアップアップでしたが,なんとか生きて週末を迎えることができました。
そんなわけであんまり映画も見られませんでしたが,渋谷シネマヴェーラ洞口依子特集は素晴らしかった。
見た映画は『ミカドロイド』(1991),『富江』(1999),『カリスマ』(1999),『君は裸足の神を見たか』(1986)の4本。
一番<凄い>と思ったのは『ミカドロイド』。これだけひどい映画を見たのはいつ以来か?<バブル>でどこも金が余ってたんでしょうな。ただ,最初の黒澤清手塚眞林海象伊武雅刀が一挙に出てくる,キッチュな冒頭場面は笑えました。
『カリスマ』にはちょっと失望。黒澤清ゴダールとの関連を語る人もいるようだだけれど,『カリスマ』には圧倒的な映像美や<音>がなかった。ゴダールの映画だと,どんな映画でも音楽と映像と引用の組み合わせで,文字通り鳥肌が立つ瞬間が一度はあるのだけれど... 残念。
『君は裸足の神を見たか』。大の仲良しの男子高校生(3年)と,同じ年の女の子(洞口依子)の三角関係を描いた物語。親友が自分の恋する女性と寝たという理由で,自殺する高校生の物語は,真実らしさという観点からすると80年代でも「秋田」だからかろうじて成立した物語なのかもしれない。でも,私はこの嘘っぽい物語にすっかり騙されて堪能してしまいました。この映画の中の洞口依子は本当に可愛い。
富江』。演技陣も,撮影も,脚本も秀逸。2本立てで,『ミカドロイド』の直後に見たので,最初のショットの「映画らしさ」にすでに癒された気分。その点を割り引いても,素晴らしい映画だと思いました。精神科医を演じる洞口依子も,刑事役の田口トモロヲもいい味出してますが,ヒロインの中村麻美が圧倒的に可愛いし,なにせ富江役の菅野美穂の快演振りが痛快。「成長することは古い自分(この映画では富江自身)を殺すこと」という陳腐な解釈をしてしまっては,この映画を矮小化することでしかないだろう。機会があれば皆さん是非どうぞ!
若い頃は本当に可愛いし,最近もなかなかいい味出してます。篠山紀信が撮った最近の写真も見ましたが,色っぽかった。今の洞口依子の美しさを前面に出した映画をみてみたいな。