若者の成長+死闘

スポーツネタが続いて恐縮なのだが、インターネット・テレビでモスクワの世界卓球選手権男子団体の予選,水谷隼対ティム・ボル(世界ランク3位)戦を見た。ボルは,ドイツのエースといかヨーロッパのエースといってもいい存在で,中国勢にかつ可能性のある唯一のヨーロッパ系の選手だ。
この二人が戦うと,ボルの攻撃の早さ、コース取りのうまさで、水谷がコートから下げられて、ボルに好き放題にされる... というのがいつものパターンだった。
最近は水谷が粘って、点数が競ったり、試合時間が長くなるということはあっても、水谷が防戦一方なのには変わりない。いわば勝ち目のない試合だった。いわば、負けるのは時間の問題。
ところが、モスクワでのこの一戦は違った。水谷が以前よりもかなり積極的に攻めていた。守勢になったときでも,以前よりもかなりコートについて、ボルの攻撃を巧みにブロックしていた。それだけ水谷にパワー、スピードが備わったということだろう。
水谷のトリッキーな守備を見る機会が減ったのは残念だが,彼の成長を強く印象づけた試合だった。
中国の準決勝、もしかすると、もしかするかも...

追記
... 日記だから今日一番楽しかったお茶会のことを記しておくべきなのだが...
今日は特別に... もう一つ卓球ネタ。
いや〜〜〜凄かった!
モスクワで行われている,女子卓球団体の世界選手権準々決勝での日本対韓国戦...
実は福原愛選手がカットマンに弱いので,0−3で負けても仕方ないと思っていたのが... なんと3−2の勝利!しかも,第5戦をのぞいて全てフルセットまでもつれ込んだ。おそらく,70年代にカルカッタで男子が繰り広げた,中国との死闘と並んで,日本卓球界の歴史に残る試合と言えるのではないか。
福原愛のバックハンド・スマッシュが決まって勝利した瞬間には目頭が熱くなった... 実況で見られて何よりだった(しかし,坂信一郎の実況は2度と聞きたくない!こういう輩がいるから,世間の人はスポーツ.アナウンサーはアホばかりと思ってしまうのだ!)
... 冷静に振り返ると勝因は二つあると思う...
一つは,石川佳純選手のセットカウント0−2からの大逆転勝利。最終セットも前半は圧され気味だった。ところが...,石川3−4で負けていた時に相手選手のサーヴィスがフォールトに取られて同点になった。これから,相手がガタガタと崩れた。ラッキーといえば,ラッキーだが,石川選手の集中力と,修正能力と爆発力には驚かされる。昨年の横浜での世界選手権一回戦を彷彿とさせる大逆転勝利!もしかすると,21世紀,最初に世界を制する日本女子選手はもしかすると,福原ではなくこの人かもしれないとさえ思った。
もう一つは,カットマン対策がよく出来ていた。フットワークのいい平野選手はカット打ちに徹したのはいつもの通り。チームの戦術として見事だったのは,福原愛選手にツッツキでしのがせて,逆にカットマンに打たせる作戦を取ったことだろう(以前にもこのブログで書いたけれど,福原選手の本当の戦型は,一般に言われているように<前陣速攻型>といよりは世界で唯一といえる<前陣守備型>)。守備型の選手に打たせて,カウンターを狙うという作戦が,奏効した。日本,韓国2対2という,負けラレない状況で,しかも苦手のカットマンに,ツッツキ&カウンター作戦という,いわばカットマン以上に守備的な作戦を貫き通して凌ぎきった福原の集中力は,称賛に値すると思う。彼女の周囲で何があったのかはもちろん知らないけれど,確かに昨年末から彼女は精神的に成長した。少なくとも試合の中では。

明日というか,今日の中国戦... 中国選手との相性を考慮して,平野選手を3番手石川選手を2番手にもってくれば,もしかするともしかするのでは...
頑張れニッポン男子+ニッポン女子!