誰も被害者

決して人徳があるわけではないが,何の因果か職場の色んな所で,<被害者>の方から恨みつらみを聞くことが多い。
一度,「他人から不当な暴力を受けた」と思ってしまうと,人間の意識の中にある時計は「その時」でとまってしまって,中々「前を向く」ことができなくなる。そういう人達と話していると,「どうして,過去にとらわれるのか,どうして未来に目を向けられないのか」という素朴な疑問がわいてしまう。ちょっと視点をずらすだけで,「かわいそうな被害者」だと思い込んでいる自分にも,わくわくする可能性がたくさん備わっているのが見えてくると思うのだが...
そんな人達を,バカ呼ばわりしたり,了見が狭いとなじったり,度量が小さいと嘆くことは簡単だ。ここ数日私はそればかりしている。
しかし,自分がその暴力を被った当事者であったとすると,果たしてさらりと「昔のことは水に流して,未来を見つめる」ことができるだろうか?
そんな人達の心をどう未来に向かって開けばよいのか?...