EURO2012,あるいは国歌は無闇矢鱈に歌えばいいというものではない

EURO 2012の決勝戦,年甲斐もなく前半戦だけ生放送で観戦。
素人目にも,いや〜〜スペインは圧倒的に強かった。イタリアはスペインのマネのようなサッカーではなく(素人にはそう見えた),昔のように,ガチガチに守備を固めた泥臭い試合をした方が,まだいい勝負になったのではないだろうか。もっとも開始早々に点を取られてしまったので,前掛かりになったのは致し方ないのかもしれないが...

さて,面白かったのは両国の国歌の歌い方だ。
イタリア選手はほぼ全員が,声を張り上げて歌っていた。さすがに,ベルカントの国,ヴェルディプッチーニらを輩出した国だけのことはある。
一方,スペインはといえば... ほぼ全員が,国歌を歌っていなかった!ひたすら国歌を聞き入っていた。国歌が流れている間,多くの選手がじっと目を閉じていた。国歌が流れている時間は,選手にとっては,目をとじ集中を高める貴重な時間かも知れない。
イタリア・チームは大声で音程を気にせず(大歓声がゆえに,周りに自分の歌がどう聞こえているかを気にしなくて済む)国歌を歌う自由を選択し,スペインは歌わない自由を選んだ。
ところで,フランスは.... スペイン戦では渋々歌っている感じの選手が多かった。2010年のWC南アフリカ大会以降,フランスでは選手を見る目が(時には極めてアン・フェアな形で)厳しくなっている。だから,選手はカメラを気にして,仕方なく歌っている振りをしているように見えた。

このたった3つの事例から,何かを訴えるつもりなないが,国歌斉唱時に国歌を歌わない自由を認めることにはそれなりに意味がある気がする。
東京や大阪の強面の首長先生方は,EURO2012の決勝戦を御覧になったのだろうか?