パパと平和

家の前の公園で,5歳くらいの女の子と,彼女の父親(と思われるオジサン)がバドミントンをしていた。バドミントンもどきというべきか。
女の子はラケットをシャトルめがけて振り回すのだけれど,まったく当たらない。10回ラケットを振って.... かするのがせいぜい1〜2回で,他は見事な空振りだ。その間オジサンはひたすらひたすら構えている。いらだった様子などまったく見せずに。
時々,少女のそばでお手本を見せたり,腕をとって「こんな風に振ってごらん」と教えている。それがすむと彼女の正面に立ってひたすらシャトルが返ってくるの待っているが,もちろんシャトルは1度も彼の元には届かない。しかしオジサンはいらだちもせず,笑顔を浮かべてじっと少女の空振りにつき合っている。こんなことができるのは,世界中でもちろん彼女のパパだけだろう。
選挙前に右翼かぶれの老人たちがさわぎ出して,大変な時代になりそうな予感はするけれど,今もこの瞬間に,何千何万という日本の団地の公園で,世のお父さん方が一週間襤褸雑巾のように働いた後で,こんなふうに子供たちと遊んでいると思うと...やはり日本が貧しくなるのは仕方ないとしても,平和だけはなんとしても守ろうと思う次第。