なぜアムロ・レイは孤児ではないのか?

ファースト・ガンダム劇場版の1巻全編と2巻の前半を見ました。久しぶりだったのですが,何度見ても面白いですね。飽きません。しかし,どうしてアムロ・レイのご両親は物語世界のなかで,あんな処理のされ方をされているのでしょう。
子供がモビル・スーツやホワイト・ベースを使ってサバイバルする話なので,両親が物語の展開にとって,邪魔なのはよく分かります。しかし,彼らを物語世界から消す方法はいくらでもあります。無理せずとも,もっと穏当で,《本当っぽい》話のもって行き方はたくさんあるはずです!たとえば,ザクの襲撃で死んだとか,ジオンの人質になっているとか,戦火のなか生き別れたとか,アムロが生まれた頃に病死したとか...
しかし,敢えて作品は両親の嫌らしい所(ばかり)を見せて,奇妙な消し方をするのです。確信犯としか思えないのです!まるでアムロが父を殺し(しかも,何の罪悪感,後悔,哀悼の念なしに!),母は夫と子供を見捨て,そして子供が母を見捨てるような話のもって行き方になっています。
アニメでは『ガンダム』以降,子供と親の関係の描き方が劇的に変わった気がします。もう少し色んな方から情報提供をしてもらう必要はありますが,先日若い友人たちの話を聞いて,ますますこの念が強くなりました。そういう意味でもガンダムはエポック・メイキングなアニメだと思います。それにしても(くどいですが)アムロ・レイと両親の関係の描かれ方はあまりに殺伐として感動的ですらあります。

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