愛する人を憎む

ラジオを聞いて気になっていたブレストン・スタージェス監督『殺人幻想曲』(1948年,日本公開1950N年)を見た。
大変面白かった。主人公アルフレッド(レックス・ハリソン)は世界的なイギリスの指揮者で,美しく若い妻ダフネ(リンダ・ダーネル)と,満たされた毎日を送っているのだが,義弟が雇った探偵から,妻の浮気に関するレポートを手渡される。自分が愛する人が他の誰かを愛する時に生まれる妄想(殺人,別れ,決闘...)がロッシーニワーグナーチャイコフスキーの音楽をバックに展開する...
1930年代〜40年代のラブ・コメディーらしく,すべての場面が室内で展開する。主人公はあくまで滑稽で,ヒロインはあくまで美しい。まだアメリカが自らのイノセンスを疑っていない時代の幸福なラブ・コメディー。
お時間のある人は是非どうぞ。