『ベルナルダン・ドゥ・サンピーエルあるいは市民の教育』

日本では『ポールとヴィルジニー』の作者として知られるベルナルダン・ドゥ・サンピーエルは本来植物学者だった。また,彼の著作には,教育論や教育にかんする多くのページも含まれている。この本は彼の膨大な著作から,教育に関係するページを抜粋したもの。完全な斜め読みなので,大したことはいえないのですが...
国家にとっての教育の重要性を説いた点で,<学校の時代>ともいえる近代の先駆者だったのでしょう。
とはいえ,<子供に暴力を振るってはいけない>,<お母さんは子供に母乳をあたえるべき>,<家庭を居心地よくすることで女性は国家の繁栄に奉仕している>,<学校では生徒間のライバル心を排除すべき>とか... 時代の刻印を感じられる主張も多く,そこが読んでいて楽しい所でもありました。
THIBAULT (Gabriel-Robert), Bernardin de Saint-Pierre ou l'éducation du citoyen, Lyon : Institut National de Recherche Pédagogique, coll. « Bibliothèque Philosophique de l'éducation », 2008, 191 pp.