丸の内散策

丸の内...と言えば,丸ノ内線東京事変の歌(本当にかっこいいい!)ぐらいしか浮かばないのだが,同僚が最近出来た東京のスポットの中では一押しというので,一週間頑張って働いたご褒美に(確か,機能もご褒美で映画三昧だったのでは...),三菱一号館美術館に行ってみた。
同僚のかなり大げさな話で,期待が膨らみすぎてしまったのだろう... 期待ハズレだった(まあ,ラテン系の人の褒め言葉を真に受けてはいけないということなのだろう)。だが,長年日本に暮らすフランス人の目には,ある種のフランス・コロニーのように映ったのかもしれない。それが,日本人のビンボーサラリーマンの私の目には,せっかくの場所で,あこぎな商売をするフランスの高級レストラン,バター屋などの支店が鬱陶しく映っただけの話だろう。とはいえ,うまく緑をあしらってあり,都会のオアシスという感じはする。
美術館自体は,美術館としてはかなり窮屈だ。しかし,光を落とした所で見るマネは,明るいオルセーとは違った輝きを放っていた。また,マネが生きた時代をうまく紹介してあり(特に当時流行したスペイン趣味),お勉強になりました。
しかし,展示してあったマネの多くの作品が今なら写真の格好のテーマだ。それがまさしくマネ=ボードレールが言う所の<モデルニテ>ということなのだろうが,マネと写真の関係についてもう少し掘り下げてもよかったのではないかという気がする。
最後に,若者が少なかったことも記しておく。まあ,成金が立てた建物を美術館に改装し,まわりに成金たちが喜びそうな店を配したのだから,若者が敬遠しているだけなからいいのだが。美術への若者全体の関心が低下しているのなら,それこそ由々しき事態だ。