音楽が好きですか...

致命的な音痴の上,無教養な私は音楽のことは本当に分からない。
しかし,数年前に私と一緒にフランス語を勉強していた,若い友人が仲間と新年コンサートを開いたのでお邪魔してみた。
件の友人は,女性陣の最後を飾って(紅白歌合戦みたいだけれど),リヒャルト・ストラウスの歌曲を三曲熱唱(目指せフェリシティ・ロット!?)。数年前に同じホールで聴いたのとは全く別人のような歌いっぷりに震えた。やはり若くて才能のある人が,覚悟を決めて頑張ると,自然にこうなるのだろう。<老師>としては,彼女の進歩に感動すべきなのだろうけれど... 年甲斐もなくその若さに少々嫉妬してしまった。
コンサート後,彼女が師と仰ぐドイツ人歌手が,「音楽が好きですか...」と優しく質問してくれたので,しばし雑談。実は,昨年春からは,彼とは同僚でもあるのだが... 中々話す機会がなかった。他愛もない言葉のやり取りから,彼の音楽への情熱が伝わってくる。当たり前のことだが,やはり愛情と熱意を惜しまず,厳しく優しく接していれば,若い人は伸びるし,ついてくる。
当たり前のことなのだけれど,当たり前のことが出来ていない自分が情けない...