森の中の美術館

6月に帰省する予定だったのだが,職場の団体の仕事と日々の業務に追われて,結局お盆休みにもちこしになった。
少し早めに実家を出て行われているカンディンスキー展を観に県立美術館に立ち寄る。初期の風景画が大変興味深かった。風景を<描写>しているのだが,色が線が安定した具象の世界から抽象の冒険へと飛び立ちたがっているのがビシビシと伝わってきた。その跳躍寸前の緊張感のせいで,風景画に固有の力が漲っていた。

実家があるかつての炭坑町から1時間弱のかつての城下町に美術館はある。大きな美術館ではないのだが,天井は高く,階の移動には広々としたスロープがあり,展示スペースもゆったりしている。採光の行き届いたゆったりとした喫茶スペースもある。メニューも展示品に併せて変えているようだ。贔屓の引き倒しかもしれないが,かつてのパレ・ド・トーキョーのような雰囲気を少しだけ感じた。町の中心部にありながら,緑と駐車スペースがたっぷりあるのもありがたい。
それに比べて,日頃私が生活している街の文化施設ときたら...