新書で読むルソー

仲正昌樹『今こそルソーを読みなおす』を読んでみた。
無理がない本だと思った。
『人間不平等起源論』『社会契約論』『エミール』それぞれの著作の今日的な重要性をコンパクトがまとめてある。そのくせ,ルソーの思想を先鋭化して見せたり,無理をしてルソーの思想を体系として提示しようとしていない。
レヴィストロース,デリダロールズアーレントがいかにルソーを読んだのか,何をルソーの中に見出したのかがとてもコンパクトにまとめてある。個人的にはデリダエクリチュール理論がとても分かりやすく紹介してあるのがありがたかった。私の学生時代,つまり30年前に(もちろん無理だけれど)こんな本があればきっと重宝しただろうにと思った。