スロベニアの福原愛と石川佳純(2)

先週末行われたスロベニア・オープンの感想です。ご笑読いただけたら幸いです。
石川佳純選手は準々決勝で,世界ランキング1位の丁寧選手と対戦。丁寧選手はアジアの女子卓球選手では抜群に体格がいい。まるで男子のようなスケールの大きな卓球をする。サーブ,レシーブも器用だ。見るからにタイミングの取りにくそうなサーブをする。でもそのサーブに石川選手は見事に反応していた。
2ヶ月前のロンドンで石川選手が丁選手と対戦したときは惨敗だった。今回も前回の二の舞かと,半ば諦めて試合を見た。結果は...大善戦だった。スコアは1−4(9-11, 11-9, 8-11, 6-11, 5-11)と,大差に見える。しかし(ひいき目かもしれないが),内容はこれまでの差はなかった気がする。
もしも,勝負所での石川選手のイージーミスが,3〜4割減っていたら,勝負の行方ちがっていたかもしれない。また,石川選手が,イージーなスマッシュミスを繰り返していた。しかし,フォアの打ち合いでは,石川選手のピッチの速い打法に丁選手は相当手を焼いていたし,石川選手による三球目攻撃にまったく対応できない場面が何度もあった。
もしも,石川選手が最初から勝つ気でもっと集中してのぞんでいたらと悔やまれる。さらに,作戦上のミスもあった気がする。ループドライブの多用と,バックのハーフ・ボレーでの打ち合いだ。福原選手もそうだったが,石川選手のループドライブは,中国選手にはまったく通用していない。威力が増せばそれにこしたことはない。速いドライブやスマッシュが打てればいうことはない。しかし,それが無理なら(無理だからループドライブで局面を打開しようとしているのけれど),もっと回転に変化をつけたり,コースを考えないと,相手のハーフボレーやカウンターのいい餌食だ。福原選手も福原選手も,ループドライブによる攻撃はまったく先制攻撃になっていなかった。
また,石川選手のバックはイージーミス(に素人には見えてしまうのだが)が多すぎる。あれだけミスが多いと世界のトップ選手とコンスタントに勝つのは難しいだろう。しかし,この2点を改良できれば(前にも書いたことがあると思うけれど),日本で中国のトップクラスの選手を打ち破る可能性がもっとも高いのは石川選手だろう。それほど,彼女のフォアハンドには他の選手にはない速さとコースの読みにくさがあるのではないだろうか。
頑張れ石川選手!