フランス大統領選挙雑感...

フランス大統領選挙について感想を書こうと思っていたら,腰痛でダウンもう一度試みると...
1)前半は,最低の選挙だと思った。盛り上がらないし,結果は分かっていたし(しかも,予想どおりになってしまった)。
2)とはいえ,毎度のこととはいえ,キャンペーン中は,メディア,とくにテレビ,ラジオは大統領選挙のことしか話題にしない。まるでこの地球には<おフランス>しかないようだ。
3)選挙戦を面白くしてくれたのは,ジャン=リュック・メランションだった。彼は数年前に<中道左派>化してしまった社会党を脱党して「左派政党(parti de gauche)」と立ち上げた。今年の大統領選挙では共産党をはじめとする左派政党グループ「左派戦線(front de gauche)」の候補者として立候補。
立候補当初のアンケートでは第1回投票の得票率は3%程度にしかならないだろうという予想だったが,結果は11%近くにまで達した。大健闘といえるだろう。
バスチーユ広場(パリ),カピトル広場(トゥールーズ),プラド・ビーチ(マルセイユ),ポルト・ドゥ・ヴェルサイユ(パリ)での集会の演説を聴いたが。どれも胸を打たれた。しかし,一番おどろいたのは,こうした集会に集まっている人々の姿が。まず数がすごい。バスチーユやプラド・ビーチでは10万人をゆうに参加者,カピトル広場,ポルト・ドゥ・ヴェルサイユでも数万人の参加者だそうだ。だが,数字が問題なのではない(主催者発表だからかなりマユツバだろう)。広大な公共の空間が人々で,真っ赤な旗で埋め浮くつくされていること自体に,ただ単純に<驚愕>してしまった。しかも,集まった人々は30分から1時間つづく演説を大変熱心に聞き入っていた。しかも嬉々として!!!メランションの言葉に本当に<希望のメッセージ>聞き取っていたのだろう(うらやましいことだが,かの国ではまだ,人々の心に届く言葉を語ることの出来る政治家がいるらしい)。そして,最後にはインターナショナルとマルセイエーズが斉唱される。国家とはやはり人々が自らがすすんで歌うものなのだということがよくわかる。数万人が歌うインターナショナルやマルセイエーズの迫力のなんとすごいことか!
4)メランション候補が指示を延ばすにつれ,それを叩こうとするメディアの姑息な対応も,メディアの醜い本質に直接が顕著に現われていて,見ていて興味深かった。