文学研究のエコロジー

昔,写真論を読んだことのあるジャン=マリ・シフェールの『文学研究のささやかなエコロジー』という本を読みはじめました。
シフェール曰く...
文学の危機が叫ばれて久しい。しかし,これだけ多くの人が書物,テクストを読み,書く時代はかつてなかった。
そもそも,文学の概念は,社会のあり方,実践のされ方(書かれ方,発表のされ方,読まれ方,流通のされ方etc.),社会との関係で,移り変わるのが当たり前である。そもそも文学=活字,書物とか,文学=ハイ・カルチャーというのは歴史的にきわめて限定された文学観でしかない。
だから,今危機にあるのは文学ではなく,文学研究・教育なのだ...
というところまで(第1章)読みました。上に述べたような文学観が生まれたのはドイツロマン派以降と彼は示唆しています...
第2章では... 科学的研究の発展のあり方と文学研究をはじめとする人文科学の研究の発展の仕方のちがいを歴史的な視点から検討することからはじまって...