週末の読書

金曜日は「斜陽」を読了。本当に面白かった。発表当時,この革命を夢見る没落貴族のお話を読者はどのように受け止めたのか?大変気になる。しかし,日本にもこんな芸当の出来る人がいたんですね。
その後は吉屋信子の『花物語』を読み始める。あまりに面白くないので途中で挫折。発表当時はこれが美文調だったのかもしれないが,やたらカタカナ英語が多い文体は,今日からすると矢沢永吉がオネエになったらこんな日本語をシャベルのだろうかと思わないでいられないほど,破格です(これに魅力を感じる人はいるだろうが,私は違う)。
その後は口直しに中路敦の「山月記」を読む。『花物語』の後だけに,「山月記」の日本語には癒された。
その後は柳広司の『虎と月』を読了。まあ,ティーンエイジャーを主な読者層に想定しているせいだろうか,締まりのない日本語,スピード感のない物語の展開と,結構読むのに苦労した。
そして日曜日は田宮虎彦の「足摺岬」「絵本」「菊坂」を立て続けに読む。陰湿という言葉がぴったりの物語。だが,今の日本とかなり重なる部分がある気がする。