ジム・ジャームッシュの新作

ジム・ジャームッシュの新作『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』を見た。
停滞する時間、時間をやり過ごすことをしかすることがない人々を撮らせたら並ぶ者のないジム・ジャームッシュは健在だった。アダム(=トル・ヒドルストン)とイヴ(ティルダ・スィントン)が徘徊する、廃墟と化したデトロイト夜のデトロイトも美しかった。
ただ、二人がヴァンパイアという設定はいかがなものか。夜の町だけを撮るという映画の主題を正当化するには必要だったのかもしれないが、正直って最後の場面(血に飢えた二人が抱き合う若いカップルを襲おうとする)は興ざめだった。