2014年のワールド・カップ

1990年からずっと決勝戦は生放送で見てきたのですが,今年は叶いませんでした。これが「老い」というやつでしょうか?
とりあえず,世界中の選手の皆さんには,胸騒ぐ狂乱の日々をありがとう!個人的にはアルジェリア,今後も応援しちゃいそうです。日本選手にも地道な精進を期待しております。私は今日からまた真面目にサラリーマンします。

今回のワールド・カップ改めてマスコミの力の恐ろしさを痛感しました。マスコミと業界がグルになると本当に世の中の雰囲気を変えられるのだと。
マスコミ,スポンサーが視聴率とか,自社製品の販売の売り上げ上げるために,サッカーの元選手の解説者とか,自称サッカー通の芸人さんとかを使って「FIFAランキングなんて当てにならなない」「ランキングは下でもなんとかなる」という言説をまき散らして,「日本チームは勝てる」という雰囲気を作りだす。見る方も,やはり日本チームには頑張ってもらいたいから,マスコミの言うことを信じてしまう。そりゃ,本来なら叶いっこない願望が叶うって,四六時中他人が言ってくれるのだから,信じてしまうでしょう!
恐らく,サッカーの解説者は対戦相手との実力の差は痛いほど分かっていたはずなのに,「それでも勝てる」という雰囲気を作ってしまう。番組制作者のプレッシャーはあったのだろうけれど見事な演技力です。恐れ入りました。

たかだか,テレビの視聴率,スポンサーの売り上げで,これほどまでの言論統制が行われてしまうのだ。賭け金が一国全体の経済だったりしたらどれほどの「嘘八百」体制がとられるのだろうか。もしかしたら,戦争中もこんな感じだったのかな。勝てるはずのない戦争,義のない戦争であったかもしれないのに,政府の言論統制以上に民間の自主的な言論統制が機能して「これは正しい戦争なのだ,これは勝てる戦争なのだ。事実,われわれは勝利しているのだ」という言説が街に,農漁村にあふれる。
私が子供の頃は,かの戦争は軍の暴走によるものだった,っていう話を学校の先生やいろんな大人から聞いた気がする。大きくなっても,同様のロジックで日本の戦争をヨーロッパの人々に説明する,日本を代表するインテリの熱弁を聞いたことがある。しかし,冷静に考えれば,民衆が本気ならなければあんな凄惨な戦いを10年も続けることが出来るはずがないはずだ。自分でついた嘘に自分で(望んで)騙されたということなのだろう。

安倍政権下の惨敗ワールドカップだったせいか,話が変な方向にそれちゃいました。お許しあれ。