2016卓球ジャパン・オープン:水谷・馬龍

2016ジャパン・オープンの水谷・馬龍戦をネットで観戦。
テレビのようにアナウンサーやテレビ局に買収された解説者が意味不明のことをわめいたりしないので,大変面白く観戦できました。
試合内容も大変濃かったです。結果は0−4で水谷選手の負けでしたが,彼の今年のベスト・パフォーマンスの1つではないのでしょうか。凡ミスはほとんどありませんでした。馬龍選手や,他の中国選手と比べて,パワーではかなり劣っているとはいえ,水谷選手の試合ぶりは素晴らしかったです!確実に水谷選手のバックハンドは威力を増しています。また,チキータ全盛の時代で,彼がストップ・レシーブを有効に使っている点は,中国選手対策を考える上で多くの選手に参考になるのではないでしょうか。
要するに,死力を尽くして挑み,最高のパフォーマンスをしたのだけれど,全く歯が立たなかったということでしょう。冷たい言い方ですが,要するに,それだけ今の中国のトップ・プレイヤーは史上まれに見る強さを誇っているということです。水谷選手が,日本では圧倒的なトップ・プレイヤーであり,中国選手を除けば世界のベスト・プレイヤーの一人であることに変わりありません。彼らの強さ,それほどの選手を輩出している中国の育成システムに世界が深く敬意を払い,彼らから謙虚に学ぶ以外に,この中国の覇権は打開できないでしょう。
とはいえ気になった点を幾つか...

中学生ではないですが,水谷選手,もう少し試合中に声を出してもいいのではないでしょうか?オフチャロフをはじめとするヨーロッパや台湾のトップ・プレイヤーと試合する時はもっと声を出しているのに...
対する相手は世界のナンバーワンプレイヤーなのですから,自分を勇気づけるためにも,観客を味方につける(なんたって地元で戦っているわけですから)ためにも,もっと声を出すべきだった。無言の水谷選手の姿は,ヘビににらまれたカエルのようでした。
観客にも同じことが言えます。観客は応援ではなく,観戦に来ているわけですから応援はもちろん義務ではありません。しかし,観客の圧倒的多数が日本人であるわけすから,お国の選手が,しかもたった一人で日本の男子卓球界を10年間も支えてきた男が必死で戦って,しかも大変中身の濃い戦いをしているわけです!もう少し応援してもいいのでは。なんで日本人はこんなに冷たいわけ?