アジア卓球選手権レヴュー:おめでとう平野選手!
最近,公私ともにいろいろなことが起こりすぎていて,ブログどころではない状態が続いている。
とはいえ,先週,中国の無錫で行われた第23回アジア卓球選手権で平野選手が優勝した。日本でも大々的に報道されているようだが,あまりにめでたいことなので簡単に感想をメモしておきたい。
今回の優勝は大変な快挙だ。中国選手を立て続けに連覇した国際大会の優勝となると,水谷選手がツイッターで喚起しているように,恐らく,2005年にリエージュで行われたW杯以来なかったことだ。このW杯で,ドイツの英雄ティモ・ボル選手は王励勤,馬琳,王皓の三選手を立て続けに撃破した。
そして,日本の選手が中国のトップ選手に立て続けに勝利したことは,日本卓球界が輝いていた50年代,60年代でもなかったことかもしれない。日本卓球界にとっては歴史的快挙だ。
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技術的にはやはり,フォアハンド側の対応が格段に上達したことが大きい感じがする。丁寧戦の最後のポイントでもわかるように,
1)フォアに大きく振られても,強打で対応できていた。
また,ほんの1〜2ポイントだが,
2)フォア側に来たツッツキのレシーブを,従来ならループドライブでつないでいたであろうところを,フォアの強打でポイントできていた。このような1ポイントが相手にはおそらく脅威になるのだろう。さらにフォアハンドが安定したことによって,
3)チャンスボールを確実に得点できるようになった。
この点も無視できない。チャンスは作っても,相手選手にコートから下がられて,うまくいなされてしまうということが,これまでは多々あった。1ゲームが21ポイントから11ポイントになったことで,1ポイントの重みがいわば2倍になった。確実に得点できる時に得点するだけで,勝機は2倍になるのだ。この観点から言えば,今後中国の脅威になるのは,伊藤美誠選手でも,石川佳純選手でもなく,早田ひな選手だろう。平野選手に並んで,早田選手が対中国という点では,最も良いラリー戦を展開していたからだ。早計だが,今大会を見る限り,2020年は,平野選手がエースで,伊藤,早田でダブルスを組むのが一番勝機がある気がする。しかし,協会にその度胸はないだろう。
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4)フォア側にサーブを出されても,強力なチキータでレシーブから攻撃できていた。
さらに,サーブも良かった。回転もさることながら。コースや長さも良かった。フォアで処理するかバックで処理するか迷うコースに,コートから出るか出ないか最後までわからない長さのサーブが何本もあった。見事だった。
とはいえ,今回の大会は幾つかの幸運が重なったことも無視できない(最も,このレベルだとそういうことがないと優勝はできないだろうが)。
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こうした要素が,平野選手に有利に働いたとはいえ,今まで世界中の卓球選手の誰もが出来なかったことを,平野選手は果たしたことに違いはない。おめでとう平野選手,ありがとう平野選手,そして頑張れ平野選手!
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