フランスの政局を分析するアラン・トゥーレーヌ先生
大統領選挙決選投票を1週間後に控えた4月30日の夕方,『C politique』(毎週日曜日夕方に第5チャンネルで放送)にゲストとして招かれた社会学者のアラン・トゥーレーヌが70年代後半からのフランスの経済政策について面白い発言をしていた。
まず,今回の選挙をトゥーレーヌは歴史的と位置付ける。すなわち,フランスの国外で起こっていることが投票に際し決定的な要因となることは,フランスの民主主義の歴史において初めての事態であると。これはもちろん,グローバル化,ヨーロッパ統合を意識しての発言である。今回の大統領選挙の真の争点は,大方の予想を裏切って,移民問題でも,イスラムでも,汚職でもない。あえて言えば,目の前の失業問題でさえない。グローバル化する世界,ボーダレス化するヨーロッパとフランスがどう向き合うかが,真の選挙の争点だ。ここまで外圧がフランスの政局に大きな影を落としたことは,少なくとも第二次大戦後はなかった。
アラン・トゥーレーヌ―現代社会のゆくえと新しい社会運動 (シリーズ世界の社会学・日本の社会学)
- 作者: 杉山光信
- 出版社/メーカー: 東信堂
- 発売日: 2000/12
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
パリが教えてくれたボンシックな毎日 ときめくものだけシンプルに。暮らしのセンスアップ86の秘訣
- 作者: 弓シャロー
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2017/04/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
トゥーレーヌ先生の分析は,これから2〜30年の日本の行方を考える上で,面白い視点を提供してくれているように聞こえた。この点についてはまた次回。
- 作者: 脱工業化都市研究会
- 出版社/メーカー: 藤原書店
- 発売日: 2017/02/22
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る