『成績評価の社会学』

日本を代表する私立大学で外国人講師をしている知人の話だと,教育学の分野ではフランスでは有名な人なのでそうですが,私は初めて著作を読みました...
Pierre MERLE, Sociologie de l'évaluation scolaire, Paris, PUF, 1998, 128 pp. coll. « Que sais-je ».
(ピエール・メルル『成績評価の社会学』パリ,PUF, 1998, 128頁,« クセジュ文庫 »)
成績評価というものにいかに評価する側の思い込み,偏見が介入してしまうかを鋭く指摘した最初の章が印象的でした。<成績評価は厳正,公正,公平でなければ>という意識が強いはずの学校の先生による成績評価でさえ,さまざまな調査によれば,両親の職業,生徒の国籍はともかく,生徒の性別,容姿などが成績に影響してしまうというのだから...
実社会ではきっともっとあからさまなことが行われているのでしょうね...
新学期には学生さんにこの本のことを話して,世間の荒波の凄さを想像してもらわねば...