ああ,バカロレア...


ジャン=ポール・ラリュ『バカロレア民主化は誰の得なのか』(Jean-Paul Larue, Le Baccalauréat, à qui profite la démocratisation)を読む...
大量の資料を「これでもか!というほど」丁寧に読み込んで... バカロレア民主化で一番得をしているのは結局,従来の支配階級=上層ブルジョワであるという,あるしゅ誰もが実感していることを実証した本。
一生懸命読んだわりに発見がないとうか...
ただし,80年代まではバカロレア民主化は,労働者や農業従事者の社会階層上層に一定の貢献していたのが,近年はこうした社会上層が稀になっているとのこと。フランス語で言う「社会エレベーター」が機能しなくなっているらしい。
この本の一番の使い方は,斜め読みではなく,いわんや通読では決してなく,つまみ読み,自分の関心のある所をパラパラと読むことのよう。
近年,バカロレア民主化は,社会階層の民主化=平準化にも焼く立ってないし,民主化されることでバカロレアの価値は益々さがっている(学歴インフレ)ということが,繰り返し繰り返し強調してあって,決して読んでいて元気が出る本ではありません。
現状のシステムでは勉強することの価値=社会的有用性が低下しているということばかり書いてあるので,一生懸命勉強している若い人が読むとつらいかも(私もつらかった)。