進化する愛ちゃん

卓球の世界はIT化が進んでいて,重要な国際試合の主な試合はネットで見ることが出来る。なんと!卓球のワールド・ツアーのクエート・オープンで福原愛が準優勝した。
しかも内容がいい!世界ランク,3位(GUO Yue,中国),13位(WANG Yue Gu,シンガポール),4位(GUO Yan,中国)の選手を破って,決勝で世界ランク1位の選手とフルセット闘っての準優勝だ。本当に,称賛に値すると思う。欲を言えば,世界ランク1位LIU Shiwen(中国)には12月の大会で勝っていたので,もう一度勝って優勝してほしかったのだけれど...
国際的にも人気があるのだろう,愛ちゃんの試合はたくさんアップ・ロードされている。さっそく準決勝と,決勝を見てみた。
どちらの試合も,こんなに愛ちゃんって強かった?っていうほど充実していた。
彼女の弱点として,精神的なもろさが指摘されることが多いが,この大会の愛ちゃんは,大人だった。「サー」というかけ声を一度も発せず,ひたすらプレーに集中していた。格下の相手を闘うと「勝たなきゃ」というプレッシャーに独り相撲をとることが多い愛ちゃんだが,邪念を捨てて,相手に向かって行く時の彼女はやはり強い。
特にブロックの反応の良さと,打点の早さは驚異的だ。レシーブもいい。サーブも,何度も中国選手のミスを誘っていた。ここ数年,伸び悩んでいた観があったけれど,この試合を見る限り,弱点を強化(フォアハンドやフットワーク)するよりはむしろ長所を伸ばす(ピッチの速さとブロックの反応・多彩さ,連打など)ことが功を奏している感じがした。
ただ... 愛ちゃんのスタイルは,前陣速攻ならぬ前陣守備型だ。今回の大会でも自分で攻撃して勝つというよりは,相手に食い下がって勝負する感じ。これでは大物食いはできても,国際大会でコンスタントに勝つことが出来るのだろうか?そしてカットマンとはどう闘うのか?
とはいえ,プレーに集中できた時の彼女がもの凄い可能性を秘めているのは確か!頑張れ愛ちゃん!