安くてうまいステック・アッシェ

先日,急に魚が食べたくなって,ある店に向かおうと地下への階段を下りようとすると,階段を上ってきた板前とすれ違った。今閉めた所です,とのこと。仕方なく近くのフランス料理の店に。ランチが1000~1500円程度のこじんまりした店。

新宿食本 2015 (ぴあMOOK)

新宿食本 2015 (ぴあMOOK)

店内は2時前にかかわらず一杯。幸いなことに,カウンターの席が一席だけ空いていた。ボーイさんがすぐにやってきて,メニューの説明ではなく,売り切れメニューの説明にやってくる。残った数少ないメニューからステーキを注文したら,サイコロ・ステーキとのこと。結局ステック・アッシュ(ミンチ100パーセントのハンバーグ)を注文。若かりし頃,よく学食や下宿で食べていたので,懐かしさから注文してしまった。出てきた皿には,ステック・アッシェに付け合わせの米(炊いたものではなく,茹でたもの),ジャガイモのピュレ(食感からしてインスタントか)にグリーン・サラダが所狭しと並んでいる。ちょっと興ざめ。でもここはフランスではないのだから,気を取り直して食べていると,ステック・アッシェにかかっていた,マスタードソースは中々のもの。ステック・アッシェも外はコンガリ,中はレアで,結構肉の味が楽しめた。ボーイさんが下手なフランス語で料理人に注文を伝えて,料理人が「ウイ・ムッシュー」と答えたり,BGMがフランスのアコーデオンによる民衆音楽である点が,私には堪え難い。しかし,もしかすると60歳以上の方にはこれがいかにも昭和チックで受けるのだろう。
ちなみに,店の名前は牛肉食堂,Cowbell。渋谷近辺で,吉野家の牛丼食すくらいなら,こっちを断然お勧めします。