古い映画が好き

もうかなり前(1ヶ月)まえの話しになるのだが,日記に記しておかないと忘れてしまうので書いておくと...
川島雄三の『わが町』(1956年,日活,織田作之助原作)を見た。
フィリピンのベンゲット道路完成に工夫として関わったターヤン(辰巳柳太郎)の一生を描いた物語。
帰国後,ターヤンは人力車を引きながら,一人娘を育てる。成長した娘は父の生き方,価値観に反発し,自分なりの幸せを見つけようとする...
年を取ったせいだろうか,この種の古い映画を見ると興奮してしまう。戦前から東京オリンピック以前の日本の町並み,人々の暮らしぶり,人間関係のあり方,言葉遣い,価値観などが具体的に伝わってくるからだ。
ターヤンのような頑迷で乱暴者の親父が実際に身の回りにいれば確かにとても迷惑だと思う。だが,スクリーン越しに見るターヤン,昔のエートスを背負ったターヤンに愛着を抱いてしまうのは私だけでないだろう。