ロマン・ギャリーをご存知?


今日は日頃お世話になっている学会の司会で努めて参りました。

フランシス・ポンジュ詩集 (双書・20世紀の詩人)

フランシス・ポンジュ詩集 (双書・20世紀の詩人)

行きの飛行機の中で読み終わったのが,ロマン・ギャリーの『夜明けの約束(La Promesse de l'aube)』。フランスではそこそこ評価されている作家の自伝的小説です。しかし私は専門家ではないので,作品中の何が伝記的要素で,なにがフィクションなのかは分かりません。
異邦人 (新潮文庫)

異邦人 (新潮文庫)

無名の女優の私生児としてロシアに生まれた主人公が,母とともにポーランドを経てニースにたどり着き,作家として,人間として一人前になるまでを描いた作品です。
正直言って,退屈な部分(特に女性との関係を描いた箇所は,もう少し踏み込んで欲しかったです)もあるのですが,昔私が集中的に勉強していた詩人フランシス・ポンジュを彷彿とさせる一節などは大変興味深かったです。
やはり,<同じ時代>を生きた表現者はジャンル,資質は大きく違っても,時代ならではの物の見方や問題は共用しているのだなと感じた次第です。
シーシュポスの神話 (新潮文庫)

シーシュポスの神話 (新潮文庫)