ペン習字と年賀状

正月実家で母とテレビを見ているとペン習字の通信教育の宣伝が流れた。
会費というか,月謝というか,添削料が結構な値段なのにびっくりした。
そして,中学の頃,両親に無理に頼んでペン習字の通信講座に入会して,結局長続きしなかったことを思い出した。月謝も滞納して督促状が来て,両親を心配させたことも。当時の両親にはかなりの負担だったことだろう。でも,子供のわがままを聞き入れてくれたことが酷くありがたく思えた。
しかし,数十年越しに礼を言うべき父はもう10年書く前に鬼籍に入った。こたつの向こうにお袋はいるがもちろん照れくさくて何も言えなかった。

今年から年賀状の書き方を変えた。自分からは出さない。ただ,賀状を送ってくださった方には,無地の年賀状に全て万年筆で直筆で書くことにした。「謹賀新年」ではもちろんスペースが埋まらない。余ったスペースには近況を添えた。高い印刷代や,インク代を払うくらいなら,万年筆を買った方がいいのではないだろうか。
直筆で書いてみて,改めて自分の字の下手さが嫌になった。母方の伯父の達筆を真似てはみるが,どうしようもない。
正月にペン習字の宣伝をテレビで打つ意味が少し分かった気がした。