野生化する平野美宇選手

年に1度のことなので,今日は卓球漬け。
女子は伊藤美誠平野美宇選手に注目。ミーハーだけれど,やはりこの二人は本当に強いので注目しないでおくのは無理な話。男子は母の母校のOBである吉村真晴選手に注目していたのだが,準決で敗退した模様。
テレビで見たのは女子では平野美宇選手と石川佳純選手の決勝と,平野/伊藤の準決の一部。
準決では平野選手が,スコアの上では押され気味だった第1セットをどうやって挽回したかを知りたかったのだが,NHKの録画放送では何故か第1セットだけスルー。伊藤選手も第1セットを取れなかったことを悔やんでいたのに,肝心のセットを放送しないNHKは何を意図しているのやら。肝心な所はバタフライ社の有料配信を購入して見ろという,一種のステマなのだろうか?
ということで,準決は肝心なところを見ていないので,女子シングルス決勝の感想を一言で述べると...
衝撃的!だった。
これまでの女子の試合だと,互いにバックのドライブやハーフ・ボレーを引きあって,そこで勝負が決まるという展開が多いのだが,前陣であそこまで両者が激しく打ちあう試合展開になるとは!石川選手の調子が良く,メンタルで成長したからこそ,セットカウント4−1で収まったのだろう。内容的にはもっと競っていた,試合の後半のラリーでは平野選手がかなり押していた印象が強い。平野選手がサービスのコントロールとヴァリエーションでもう一工夫できれば違った結果になっていたかもだ。
昨年末のスエーデン・オープンを見て,平野美宇選手の卓球が今まで以上にアグレッシブになっていて,新たなスタイルを模索していたことはわかっていたつもりだ。しかし,わずか数週間でこんなに化けるなんて!ティーン・エージャーの可能性は恐ろしい!
特にスエーデン・オープン後のグランド・ファイナルのダブルス決勝では,平野選手だけが,中国人選手と伊藤選手とは違う次元の卓球をしていた。それは,まるで大人の中に子供が一人だけ混じっているような感じだった。
それだけに,全日本での平野選手の力強さ,速さ,思い切りの良さには,彼女の底知れない可能性を垣間見た気がする。彼女の今後が楽しみでならない。ここまで短期間で化けるには,彼女自身の努力,頑張りと,伊藤という盟友してにライバルの存在が決定的に大きいのはもちろんだ。しかし,新しい彼女の資質に合ったスタイルの提示,練習メニューの作成,戦術の練直しといった点で,やはりコーチが変わったことも大きく影響しているのだろう。協会,あるいは村上監督の英断ということになるのだろうか。男子では松平健太丹羽孝希といった元「天才少年」が停滞しているだけに,現役の天才少女の育成では同じ失敗をしないでもらいたいものだ。
話は変わるが,年末から全日本までの試合をネットやテレビで見ていると,大島裕哉選手,平野美宇選手がダブルスが非常に重要なカギを握るリオ・オリンピックのメンバーに選ばれなかったことが残念でならない。

卓球3ステップレッスン

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