今日の植民地研究
帰省の道すがら『歴史工房(La Fabrique de l'histoire)』という番組を聞いた。
取り上げらていたテーマは「比較植民地化研究」。
取り上げられていたテーマはコンゴ,1924年のオリンピックで優勝したアルジェリア人(ただし当時はフランスの植民地),エチオピア,インドと大変ヴァラティーに富んでおり,多くのことを学んだ(とは言っても高速を120キロで飛ばしているので,いつも集中して聞いていたわけではないのだけれど)。
ただ気になったことがあったのでメモしておきたい。
何の番組を植民地化した人,つまりヨーロッパ人の視点でばかり語られていたことだ。だから招待されていた研究者もヨーロッパ人ばかりだった。もちろんテーマは植民地ではなくて,植民地化なのでテーマにかなった視点であるには違いない。
ただそこには植民地化したことへの反省は全くないし,もちろん罪悪感の欠片もない。まあ,新しい世代の研究者ばかりだったから仕方ないのかもしれないが。どちらかというと言外に,ヨーロッパが文字どおり世界を牛耳っていた時代へのノスタルジーが,プンプン香ってきた。もちろんこれはフランス人の将来への不安の裏返しではあるには違いない。この番組実はかなり古くて2013年の番組なのだが,この番組で聞くことのできる,少なくとも表面的には科学的で中立な研究者の話と,巷の反イスラムがどうつながっているのか,少し気になる(関心+心配を込めて)。
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