コンラッド『闇の奥』を読んでみた
- 作者: コンラッド,中野好夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1958/01/25
- メディア: 文庫
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- 作者: ジョゼフコンラッド,Joseph Conrad,黒原敏行
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/09/08
- メディア: 文庫
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どうして再び『闇の奥』かというと,フラマン系ベルギー人の歴史家にして作家のデヴィッド・ヴァン・レイブルックが『コンゴ,ある歴史』のフランス語訳出版に際して,フランスのラジオ局に対して行ったインタビューがえらく面白かったからだ。また数年前に出た,『闇の奥』を翻案したバンデシネが,結構評判だったことも影響している。
で,面白かったどうか白黒はっきりしろと問われれば,「面白かった」と答えるが,期待通りではなかった。デヴィッド・ヴァン・レイブルックのインタビューを聞いて後に読むと,コンラッドのコンゴの奥地での狂ったように象牙を探し求めるクルツの描写が,どうしても,抽象的(象徴的ではない!)すぎて,物足りなく感じられたからだ。やはりベルギーのレオポルド2世がアフリカ奥地で行った凄まじい搾取の様を知るには,600頁を優に超えるデヴィッド・ヴァン・レイブルックの著作を読むしかないのだろうか?これは私の想像力つまり,小説読みとしての資質が欠けているからなのか。それとも,コンラッドが色褪せて見えるほど,この分野での研究が進んだからなのか?いずれにせよ,コンラッドが期待外れだったせいで,逆に益々コンゴのことが気になってしょうがない。
- 作者: 米川正子
- 出版社/メーカー: 創成社
- 発売日: 2010/05/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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