邪魔が入るからこそ恋はうまくいく

ル・モンド』によると,来週の木曜日に,1964年から1970年にかけてフランソワ・ミッテランがアンヌ・パンジョー氏に宛てた書簡がガリマール社から出版されるらしい。早く手に取りたくて仕方がない。

ミッテラン――カトリック少年から社会主義者の大統領へ

ミッテラン――カトリック少年から社会主義者の大統領へ

私がフランスに住んでいる頃の大統領はずっとフランソワ・ミッテランだった。確か,シラクが大統領選挙に勝利した翌日の月曜日に博士論文を提出したので,大げさな言い方をすると,私の青春時代の重要なアイコンの一つが彼ということになる。確か,パンジョー氏の存在と,氏と大統領との間の子供の存在をパリ・マッチがすっぱ抜いたのが1994年末だったのでは...
フランスの肖像――歴史・政治・思想

フランスの肖像――歴史・政治・思想

もっともミッテラン家はもちろん,政界では公然の秘密だったらしい...... 85年のオルセー美術館オープンの際に,オルセー駅を美術館に改修する決定を下したジスカールデスタン元大統領を伴ってミッテランがオルセーに訪れた時に二人の案内を務めたのも,当時オルセー美術館学芸員を務めていたパンジョー氏であっった。ジスカールデスタンとパンジョー氏同郷(パスカルと同じオーヴェルニュ地方)で,幼い頃からパンジョー氏のことは知っていて,もちろん彼女と自身の政敵との関係のことも知っていたらしい。
パンセ(上) (岩波文庫)

パンセ(上) (岩波文庫)

ル・モンド』によれば,二人の出会いは二人にとって決定的で,20歳の時に47歳のミッテランと関係を結んだパンジョー氏は以前も以後も他の男性との関係はなかったらしく,ミッテランも二人の関係を守ろうとあらゆる手を講じたらしい。
男女関係にも人間の器が出るらしい。この本のせいで,また現職大統領の小物ぶりが改めて浮き彫りになることだろう。