フィラルデルフィアのワールド・カップ:平野美宇選手と伊藤美誠選手

フィラルデルフィアで開催されている卓球女子ワールドカップの準決勝,伊藤美誠平野美宇戦をネットで観戦。

内容,スコアともに平野美宇選手の圧勝といっていいのではないだろうか?この内容+スコアだと,相性の良さとか,慣れではなく,二人の間で実力が開きつつあると考えたくなる。実はオリンピックが終わった直後に,代表選手選考に対する疑問をぶつけた。くどいが銅メダルだったのは,選手選考の方式に問題があったと思う。伸び盛りの選手がひしめく中で,看板選手の福原選手をどうしても代表にねじ込むための姑息な方法だった。だが,早めに代表を決めたおかげで,平野選手や早田選手は長い目で練習,トレーニングに取り組むことができ,その成果が早くも今年の冬から出ているようだ。
平野選手はもともと大変ボディーバランスがよくて,いろいろな体勢からボールをミスなく相手コートに入れるに長けた選手だった。だから,伊藤選手と組んだ右右ペアでもあれほど強かったのだと思う。ところが!今年の冬の全日本あたりからボディーバランスを活かして,フォア/バックの両方で強いボールが打てるようになってきた。おそらく,フォアハンド/バックハンドのバランス,あるいはバックハンドのパワーと安定性と強打できるゾーンの広さという点では,日本の女子でナンバーワンだろう。
少年ラケット(1)(少年チャンピオン・コミックス)

少年ラケット(1)(少年チャンピオン・コミックス)

事実,去年の今頃は,伊藤選手とバックハンドを引き合って,打ち負けていた感が強かった。ところが1年後の今日は,フォア側に立ってフォアハンドサーブを出して,バックハンドで攻撃の糸口を作ってフォアで仕留めるというパターンで気持ちよさそうに得点を重ねていた。ボディーバランスがいいので,伊藤選手がブロックで早いピッチで前後左右に揺さぶっても体勢が崩れない,強打を連打できる。
伊藤選手を相手にここまで完璧な試合ができる選手は,おそらく今の日本にはいないだろう。中国でもそう多くはないだろう。
今日の試合を見る限り,ライバル対決を制したせいで気が抜けたり,緊張の糸が切れない限り,ワールドカップ初の日本人選手の優勝+最年少優勝の確立はかなり高いのではないだろうか?
取らぬ狸の... とならないように,頑張れ平野選手!