地(知)の拠点に付き合って...

仕事先がもらっている補助金の縛りで,地域志向型の学外授業をしないといけないのだよと上司から言われて,土曜日の午後という貴重な時間を潰す。

坂の上の雲 全8巻セット (新装版) (文春文庫)

坂の上の雲 全8巻セット (新装版) (文春文庫)

中心街を1時間半ほどボランティアのガイドさんと市街地を若者の後ろをついて回ってみた。まあ,この町の中心街は近代史ゆかりのエピソードがゴロゴロ転がっているので,話は尽きない。だが,所詮,エピソードであって歴史ではない。雑学は知識ではない。どうもそのへんのところを企画者が履き違えているようだ。しかも企画者が歴史選考の人なので辛い。しかも,ガイドさんが外れで,あまり話がうまくない。というわけで本当に不愉快な午後になりましたとさ。
魚雷艇学生(新潮文庫)

魚雷艇学生(新潮文庫)

知的労働者としてわずかに残っている良心に照らせば,「こんな馬鹿なことはやめろ」というべきなのだ。これから大学で4年間人文科学系のことを勉強しようという若者が,雑学と歴史を履き違えてしまうくらいなら,まだパチンコでもポケモンゴーでもさせておいたほうがマシだ。しかし,そう言った瞬間に,「じゃあ来年度はお前が企画ね」となりかねず,言い出せないのでますますジレンマが募る。
西郷と大久保 (新潮文庫)

西郷と大久保 (新潮文庫)