全日本卓球レビュー(3):おめでとう水谷選手,平野選手

1年に1度のことなので,起床してテレビの前に釘付け。
衝撃的だったのはやはり,女子シングルス決勝の石川/平野戦だ。スコアは平野の4-2(6,10,-8,9,-9,6 )だ。何が衝撃的かというともちろん結果ではない。前日までの試合ぶりからして,平野選手に十分にチャンスがあることは繰り返し述べてきた。衝撃的なのはその内容だ!スコアは4-2だが,内容からするとこの試合は4-0でもおかしくなかったと思う。平野選手の圧勝だった。

卓球王国 2017年 02 月号 [雑誌]

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これだけ簡単に石川選手に勝てる選手は世界広しといえども中国にわずか数人いるだけだろう。そんな選手が日本から出てくるとは!攻めの早さ,ピッチの早さ,ボールの速さ,回転,コースすべてがこれまでの日本の女子卓球の歴史を変えるような内容だった。
しかし,その歴史を変える立役者がまさか平野選手になるとは...
なぜかというと,確か2015年のワールドツアーのグランドファイナルのことだと思う。平野選手が伊藤美誠選手とコンビを組んで中国ペアとダブルスの試合をしている時... 大人の中に一人子どもがいると思った。容姿や背格好のことではもちろんない,卓球の質のことだ。その子どもが平野選手だった。その子どもがたった1ヶ月後,つまり昨年の日本選手権で相方の伊藤美誠選手を圧倒した。目を見張る進歩だった。その余勢をかって石川選手にぶち当たったものの,見事に跳ね返された。あれから1年後,まさかこれほど簡単にその壁をぶち破るとは!ブログでも何度か書いたが,卓球協会はこれまで金の卵を発掘はできても,金の卵を返すことにはことごとく失敗してきた。松平選手しかり,丹羽選手しかりだ。しかし,平野選手に関しては,一昨年にコーチを変えたのは見事な判断だった。もちろん,中澤コーチの指導についていった平野選手の頑張りがあったからこその話だけれど...
女子選手に金の卵を抱える協会はやはり,平野選手を手本にして指導者と選手の関係のあり方を考えるべきだろう。伊藤選手,加藤選手,早田選手に関しては,指導者の決定に関しこれまでのしがらみや,親子関係が幅を利かせすぎているような気がしてならない。可愛い子には旅を!だ。男子の感想はまた後日。おめでとう平野選手!