全日本卓球レヴュー(5):ライヴ配信について

全日本卓球について,今回が最後の予定。
今回は大会の前半5日間の試合が全てネットで配信された。試合や時間帯によっては大変つながりにくい状態が続いて,イライラしたり,ストレスを感じたり,怒り狂ったファンも少なくないことだろう。私もその一人だ!だが,今回は不評,不満が相次いだので次回はやめるのではなくて,次回はもう少し工夫して是非続けていただきたい。

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ITTFによる国際大会の配信に比べ,全日本選手権の配信の方が圧倒的に良かった点が1点ある。それはカメラの位置だ。カメラがコートから近い,しかもアングルもいい。ITTFの配信だと総じてカメラが高いところにあるので,私のような素人には選手がどんなことをしているのか分かりづらい。だが,今年の全日本選手権ではカメラがコートから近く,高さもちょうど人の目線あたりにカメラがあるので,見ていて迫力があった。
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要望があるとすれば,3点に尽きる。
1点目は,もう少しつながりやすくしてもらいたいということ。
2点目はテレビで放送されない試合は全てネットでカバーしてもらいということだ。
特に今年の条件だと,ファンは準々決勝が全く配信されないという理不尽を甘受しなければならない。だが,おそらくファンが1番見たい試合が集中しているのが準々決勝だろう。今年の男子だと,平野/神戦,吉村和/上田戦,女子だと平野/松澤戦,橋本/石垣戦などは是非ネットで見たかった。また,ダブルスの準決勝も片方の試合しか見れないことになる。なので若宮三紗子選手の引退試合を多くのファンは見ることができなかった。とても残念なことだ。
3点目は大会の日毎のレヴューを配信することだ。バタフライが1日毎にレヴューを配信していた。しかしバタフライの契約選手の情報しかないので,女子の試合は全くと言っていいほど取り上げられなかった。なぜバタフライが他社の契約選手を取り上げないのか,自社中心のエゴなのか,他社に配慮してのことなのか,選手との契約上のことなのか,私には知るすべもない。だが,そこには企業の論理が働いていることは想像に難くないし,利益を追求する会社としては当然の振る舞いであることも理解できる。
卓球レポート 2016年12月号

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だからこそ,こうしたしがらみを超えて,純粋に卓球として面白かった試合,ラリーをファンに伝えることこそは,私企業ではなく協会の仕事だと思うのだが,いかがなものだろう?