うっかりペネロペ

今年5月に行われる予定のフランスの大統領選挙に関する動きが慌ただしい。

格差と再分配:20世紀フランスの資本

格差と再分配:20世紀フランスの資本

昨年末は,誰もが右派の予備選挙で圧勝したフランソワ・フィヨンが余勢をかってそのまま大統領選挙まで突っ走ると思うっていたのだが...
週刊の『カナール・アンシェネ』紙による,フィヨン氏の妻ペネロペに関する記事が大きなスキャンダルに発展しそうだ。同紙によると,ペネロペ女史は,1998年から2007年の8年間にわたって勤務実績がないにもかかかわらず,夫フランソワ(2002年まで)および,フランソワの補欠当選人マルク・ジューローのアシスタントとして,高額の給料(総額で50万ユーロ)を受け取っていたらしい。
サルコジ―マーケティングで政治を変えた大統領 (新潮選書)

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スクープを一度報じてお終い,といったやり方は『カナール・アンシェネ』の報道スタイルではない。狙った獲物をそう簡単には逃さないのだ。恐らく,二の矢,三の矢を準備していることだろう。この新聞のせいで,大物政治家が大統領の夢を断たれたことがある。フランスの政治・社会の近代化に多大な貢献をしたシャバン・デルマスも,74年の大統領選挙の際には,同紙が暴いた税金逃れのスキャンダルで,決選投票に残れなかったといったことがあった。
さて,フィヨン氏はどうなることか?ちなみに『カナール・アンシェネ』の発売は毎週水曜日だ。