メディアと政治家:うっかりペネロペ(2)

ペネロペ事件のその後。
昨年末には誰もが次期フランス大統領の大本命と思っていたフランソワ・フィヨンの周囲が急に慌ただしいというか,きな臭くなってきたことは,昨日のブログでお伝えした。

好きなことだけで生きる~フランス人の後悔しない年齢の重ね方

好きなことだけで生きる~フランス人の後悔しない年齢の重ね方

フランスでは何か政治スキャンダルが起こると,本人は民放最大手のTF1か公営放送最王手のFRANCE2の20時のニュースに生放送で,事情を説明するというのが通例になっている。というわけで,降りかかった火の粉を消そうとフィヨン氏は26日のTF1のニュースに出演した。
そこでのフィヨン氏の主張は,妻は常に自分の仕事を手伝ってくれた。法律上では親族をアシスタント(日本では政策秘書のようなものだろう)を雇うことは問題ない。また,アシスタント用の経費をどのように使おうと,法律では,裁量は議員の自由である。これはフィヨン氏の妻がアシスタントとして法外な給与を受け取っていたことに対する批判への,暗黙の返答のつもりなのだろう。妻の給与は議員である私が自由に決められるから問題なしという意味である。
日本人が知りたいフランス人の当たり前 フランス語リーディング

日本人が知りたいフランス人の当たり前 フランス語リーディング

フィヨン氏のインタビューを見る限り,フィヨン氏は本心から自分のケースには問題がないと思っているようだ。だが,一般の感覚でからすると,自分が非難されている理由がわからないフィヨン氏の態度自体がスキャンダラスなのだ,ということが本人には分かっていないようだ。フィヨン氏の驚きは,政治の世界の常識の世の中の常識がどれほど乖離しているかを示している。
メディアと政治の関係についてもコメントしたかったのだけれど,それはまたいずれ。