エマニュエル・リヴァと『二十四時間の情事』
最近デュラスの『愛人』を読み直した。最初に読んだ時は本当にピンとこなかったのが,深く感動した。
- 作者: マルグリットデュラス,Marguerite Duras,清水徹
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1992/02/05
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- 発売日: 2009/02/20
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また,歳をとったせいか,映画の中でリヴァが演じているフランス人女優(シナリオでは「彼女」だったと思う)の心の動きも,昔よりは良くわかる気がする。何よりもリヴァはデュラスのシナリオにぴったりの女優だ。『二十四時間の情事』の彼女は知的な美しさで輝いている。そして,過去の思い出に取り憑かれ,日本人建築家との出会いで生じる葛藤や,情事を通じてよみがえる過去の思い出が生み出す混乱を見事に演じ,語っていると思う。なぜ「語り」かというと,デュラスが監督したり,シナリオを描いた映画ではいつも見られるように,『二十四時間の情事』でもヴォイスーオーバーで映像に重なる,<声>がとても重要な役割を果たしているからだ。
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2013/09/06
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