日本とおフランスの寒さの違い

寒い。昨日か一昨日は,春の訪れを告げる見事な梅を目にしたのに!
よく,フランスに比べれば大したことないでしょう,みたいなことを言われることがある。確かに外気温だけを単純に比べれば,概して日本(計る場所にもよるだろうが)の方が暖かいのかもしれない。だが,日本とフランスでは建物,暖房に対する基本的なコンセプトが違う。なので私の感覚では,外気は日本の方があったかいにもかかわらず,屋内で寒いと感じることは日本の方が圧倒的に多い。

二十世紀の都市と住宅―ヨーロッパと日本

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昔,フランスの建築家からこんな質問をされたことがある。「日本は南北に長い国なのに,北でも南でも壁の厚さ同じだと,何かで読んだことがある。本当か?」思わず答えに窮した。未だにこの問いに答えることはできない。ただ,大手の建築会社は,マンションや一戸建て住宅は,家屋というよりは,人を押し込めるための箱程度にしか考えていないはずないので,おそらく地域によって壁の厚さを変えるなどといった,コストと手間のかかることはしてないのではないでしょうか... と適当に答えた気がする(間違っていたら申し訳ない)。
話が逸れたが,フランスでは一度建物の中に入ってしまえば,かなり寒さがしのげる作りになっている。お湯を使ったヒーターや,電気ストーブまがいと,種類はまちまちだが暖房がいたるところに備え付けてある。家全体,建物全体を暖めるというコンセプトが主流のせいだ。
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一方,日本では,家や建物の中でも,廊下やトイレに暖房がないので,屋内でも寒さを感じることが頻繁にある。ホテルや空港でもトイレに暖房が無くて,寒い思いをするがしばしばだ。家の中でも同様だ。
どうして日本の建物は屋内でも寒さを感じるような作りになっているのか。日本の建築家の想像力が不足しているのか,そもそもそこまで徹底して暖房システムを作る必要がないほど寒さが厳しくないところにたまたま私が住んでいるだけなのか,建築業界が手を抜いているのか,そもそも日本人は冬は屋内でも寒いと諦めているのか...とにかく寒い。明日は少しは暖かくなるといいのだけれど!