パック展覧会はもういらない!

最終日だったので,「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ」という展覧会を覗く。
もともと,ラファエル前派に属する人たちの絵があまり好きではないので,残念ながらあまり楽しめなかった。
展示してある作品に感動できないと,展示方法への不満があれこれと脳裏をよぎる。
展示作品で勝負できないなら,もう少し展示方法に工夫が出来なかったものだろうか?たとえば,いろいろな面で視覚革命とでも呼ぶべき大きな変動が起こっていた19世紀に,なぜ半ば<反動的>とも言える画風の作品が書かれる必要があったのか?当時のイギリス社会ではどう迎えられたのか,画壇ではどうだったのか?印象派,写真などに代表される大陸における運動にラファエル前派はどう向き合ったのか?そうした疑問に,視覚的に応えてくれる展覧会であればよかったのだけれど... 他所で企画された展覧会をパックで買っているから仕方ないとは思うのだけれど,どうせそんなお金があるなら,日本の現在・過去の芸術家に光を当てる展覧会を日本の地方の美術館と連携してできないのだろうか?
箱もの行政ならぬ,パック文化を地方の美術館には是非脱却していただきたい。