石川佳純をめぐる不安

ITTF(=国際卓球連盟)プロツアーの,グランドファイナルで福原愛石川佳純ペアが決勝まで進出したので,眠い目をこすりながら観戦。
結果は,中国の郭躍/李暁霞ペアに0-4(8-11,5-11,7-11,6-11)で完敗。まあ,世界最強ペアとの対戦だから負けるのは仕方がないかも。しかし,内容は... 感想を書き留めておくと。
決勝,準決勝での石川の内容は正直言って,酷かった。アンダー21では優勝している。個人戦で戦った世界ランクナンバーワン,丁寧選手(中国)との準々決勝は1-4(4-11,6-11,5-11,11-13)で負けはしたが,内容は悪くなかったと思う。だからダブルスの準決勝,決勝でどうしてこれほどまで内容が悪かったのか,理解に苦しむ。打点の速さが売りの彼女のプレイスタイルだと,調子の浮き沈みが激しいのはある程度は仕方がないのかも。
この2試合では,失点のほとんどが,石川が引き起こしたものだ。彼女が凡ミスをしたり,コース取りが悪かったり,積極的に行くべきところをつないでしまって痛打を浴びるというパターンだった。準決勝ではそれでも何とか押し切れたが,決勝では試合が進むつれ,一人で踏ん張っていた福原も緊張の糸が切れて,セットを重ねるごとに点差が広がってしまった。
二人のプレイを見ていて,石川がミスを重ねる度に沈んでいくのが気になった。11月の世界ランクでは石川の方が上だが,このペアの柱は福原だ。どう,戦術の徹底やコミュニケーションをとることで石川の精神的負担を減らしていくか,それがこのペアが来年ロンドンでいい成績を納める上での大きな課題の一つかも。
一方,福原のプレイには大きな可能性を感じた。フォアがかなり強化されている感じがした。フォアで強打する時,今までよりも振り幅が大きくて(手の広がりというか,フォロースルーというか,それが大きかった),力強さが感じられた。もしも,シングルスでもフォアで強打できる機会が増えれば,ロンドンでの表彰台も夢ではないかも。