民主党よ!胸を張って選挙民を裏切れ!

民主党政権が誕生したらしい。
民主党のみなさんが党本部でお話しになるとき,「国民の生活が第一」と書かれた壁の前で,皆さん口を揃えて「国民本位,国民の生活が第一!」っておっしゃてる。
確かに,今の日本には生活に本当に困っている方や,明日の生活への不安に脅かされている方々がいるのはよく分かっているつもりだ。私も,構造不況業種に身を置くサラリーマン。働けど,働けど...という虚しさはイヤというほどよく分かっている。
でも,今日日テレビを見たり,新聞を読んでいるとイヤというほど耳にし,目にする「国民本位」という言葉... これほど繰り返されると「先生方,ちょっとまった」と言いたくなる。
その理由はとりあえず二つ。
一つ目は「国民ってだれよ」っていう素朴な疑問。
同じ「国民」でも,年収4000万円の人と年収300万の人は同じ風景を見ているのだろうか?
同じ「国民」,同じ年収500万円でも,すべての年収を税務署から把握されているサラリーマンと,節税という名の合法的な脱税が許されている自営業や,農家の方が,同じ生活感覚を持っているとはとても思えない。
同じサラリーマンでも,鉄道会社に勤める方,自動車メーカーに勤める方,農協にお勤めの方の世界観,未来への展望,利害はまったく違うだろう。
同じ国民でも,子育てを終え,住宅ローンを払い終えた方,大学受験を抱える高校生がいる方では当然将来への危機感覚が違うに違いない。
本来は<国民>の間で限られたパイを分配し,<国民>の中の誰にいろいろなコストをご負担いただくかを決めるのが政治ではないのだろうか。
これから民主党の政治スタイルが明らかになるにつれ,民主党にとって誰が<国民>なのか徐々に明らかになっていくのだろう。

でも...一番の問題は... 今の民主党には<夢>がないということ。
<景気>,<家計>,<懐具合>が大事なのはよく分かっている。というか,これが大事なのは誰よりも分かっているつもりだ(ルンペンサラリーマンだからね,私は!)
でも,しかしである!あえて言いたい。「人はパンのみに生きるにあらず」だと。
今回の衆議院選挙は<小さな革命>だと言ったのは確か,鳩山氏自身ではなかったか!
しかし<価値>のない革命って,何よ?そんなのってありうるのだろうか?
「何も変わらないためなら(=これ以上生活レベルが下がらないなら),すべてを変えたっていい」と,これまでさんざん自民党におんぶにだっこしてもらってきた人々(お医者さん,農家の皆さん,自営の皆さんなど)が自民党をドブに捨てたってことでしょう。

だからこそ,民主党の先生方には,今回自民党から民主党に寝返った多くの日和見選挙民が後悔するくらいの,野心的で,<徳>を目指した政治を目指して頂きたいと思います。
くどいけれど,<理想>があっての変革である。
くどいけれど「人はパンのみに生きるにあらず」である!